イクオスのアルガス2に発毛効果なし
皆さん、Algas-2(アルガス2)という成分をご存知ですか?
Algas-2(アルガス2)とは2016年9月に大幅リニューアルした育毛剤イクオスに新たに配合された成分で、従来から配合されていた一切発毛効果のない保湿成分M-034にペルベチアカナリクラタという別の海藻エキスを加えて適当に命名した成分です。
イクオスの高額アフィリエイト報酬に釣られ9月のリニューアルに合わせて多くのアフィリエイターが一斉に提灯記事を書いたためすでにネット上にはアルガス2に関する情報が溢れており、私も育毛関連サイトでは我先にと提灯記事を必死に書きましたとも、ええ。
アルガス2(Algas-2)www(バカっぽく)
さて、そんなイクオス渾身の新成分アルガス2。どのくらい素晴らしい効果があって、どれほど失笑させてくれるのか詳しく見ていきましょう。
アルガス2(Algas-2)とはどんな成分?
冒頭で簡単にアルガス2について取り上げましたが、もうちょっと詳しく見ていきましょう。
前述の通りアルガス2(Algas-2)とはリニューアル前からイクオスに配合されているM-034という海藻エキスに、ペルベチアカナリクラタという別の海藻エキスを加えたもの。一応イクオス独自の成分ということになりますか。
M-034は、ブブカやチャップアップなどにも配合されているミツイシコンブ由来の海藻エキスで、下図のようにミノキシジルと同等の育毛効果があるとして人気の成分です。
ただの保湿成分ですけどね。
まあこれ自体のデータに明確な根拠がない上に、赤線で示したように生えてくるスピード勝負という意味の分からないものになっています。ミノキシジルと比較するなら髪の毛が生える発毛効果を比べるのが筋じゃないのか?
そしてアルガス2を構成するもう一つの海藻エキスがリニューアルで新たに配合した「ペルベチアカナリクラタエキス」。強い生命力と保水力を有する成分らしい。
ただの保湿成分ですけどね。
この2つの海藻エキスが生み出す相乗効果によって新たなイクオスはこれまでにない発毛促進効果を発揮し、多くの人が実感する大きな効果をもたらすのです。
もちろん一切の発毛効果はなく髪を生やすという面で効かないのは間違いありませんが。
■海藻エキスはただの保湿成分
発毛効果を実感できないアルガス2(Algas-2)
2016年9月にリニューアルしたイクオスはアルガス2という新たな成分を手に入れ、それによって今まで好評だった効果をさらにパワーアップさせることに成功しているらしい。それが下図のデータになります。
出典:イクオス公式サイト
なんとここでは発毛剤であるミノキシジルはもちろん、ミノキシジルの3倍の育毛効果があるとほざくキャピキシルをも上回る高い育毛効果を発揮…と思いきや、「違いが出たと感じた方」らしい。
「違いが出た」という表現ならハゲが改善しても悪化しても当てはまります。
ちなみに右下にはいかにも第三者機関が調査したように「千葉頭皮環境研究会調査データ」とありますが、検索してもいっさい引っかからないため、そういった独立した機関が存在しないのは間違いありません。
内部データか息のかかった企業によるそれっぽいデータの可能性も。
ミノキシジルの含有量が示されていない
このアルガス2のデータにはもうひとつ大きな穴があります。それは比較対象となるキャピキシルローションは「5%」と明記しているのに対し、ミノキシジルには濃度の記載がないのです。
これ、どう考えてもおかしいですよね。化粧品成分であるキャピキシルであればまだしも、どんな商品ですら必ず含有量が表記されているミノキシジル外用薬の濃度を記載しないなんて不自然極まりない。
アルガス2が出はじめの頃であればただ単に記載漏れの可能性もなくはありませんが、すでに2年以上が経過している現在もこの状況であるということは、ミノキシジルの濃度を明記できない理由があると考えるのが自然。
当然ながらミノキシジルの濃度を記載することによってアルガス2の効果が霞むものになるのでしょう。一般的なミノキシジルの濃度である5%に対し、よほど低濃度での試験であった可能性などが推測されるか。
そもそもキャピキシルなんて胡散臭い化粧品成分が発毛剤であるミノキシジルより効果が出ているというデータの時点でお察し。
■Algas-2が優れているというデータは発毛効果を対象にしたものではない
アルガス2が効果ない根拠を詳しく
色々と突っ込みどころがあるイクオスのAlgas-2(アルガス2)。しかし効果がないと証明する根拠もないことから当記事を「ただ批判しているだけの記事」と感じる人もいるかもしれません。
効果がないことを証明するのはいわゆる「悪魔の証明」と呼ばれるもので、なかなか厳しいもの。ただし発毛根拠がないことは証明できます。
科学的根拠がないAlgas-2(アルガス2)
薄毛男性の9割以上が該当する男性型脱毛症(AGA)によって抜けてしまった部位から再び髪の毛が生える「発毛効果」があると認められている成分はフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3つしか存在しません。
それら成分は膨大な期間とコストをかけ研究・開発したもので、培養毛包を用いた試験からマウスに対する効果の検証、そして大規模なヒトへの臨床試験(治験)を経て髪の毛が生えるという科学的根拠を示し医薬品として認められたもの。
一方、例えばミノキシジルの3倍の育毛効果があるとするキャピキシルはどうか。あれは開発メーカーが独自に培養毛包やヒトを用いて試験を行っているものの、その1例だけでは科学的根拠とは到底呼べません。
試験の規模は治験に比べ小規模ですし、何より開発メーカーが行っている以上客観性も大いに疑問が残りますしね。
じゃあイクオスに配合されるアルガス2は?
これに関してはキャピキシル以下。なぜなら明確なデータを一切示していないから。キャピキシルやミノキシジルローションと比較したとするデータが存在しますが、その試験内容や実際のデータは一切不明。
そもそもミノキシジルの濃度や試験を行ったとする研究所すら不明。科学的根拠以前にデータの存在意義すら問われかねません。
当然ながらこれだけで「アルガス2に効果がない」と言い切ることはできません。しかしそれはあくまでも抜け毛を予防したり髪の毛のハリやコシを出したりする育毛効果の話。
フィナステリドやミノキシジルのような“発毛効果”であれば、アルガス2にそういった効果は100%ないと断言できます。
なぜなら、M-034やアルガス2は海藻エキス(1)や海藻エキス(4)、海藻エキス(5)で構成されているもの。美容液にもよく使われるこれら海藻エキスで毛が生えたら女性の顔毛ボーボーよ。
Algas-2(アルガス2)に副作用はあるのか
ありません。
「ワカメやコンブなどの海藻を食べると髪が生える」というなんの根拠もない都市伝説同様、海藻から抽出したエキスを頭皮に塗って出る副作用など、普段ではありえない液体を塗ることによる「かゆみ」や「かぶれ」程度で、副作用と呼べるようなものはもちろん発毛効果の存在すら考えられないでしょう。
もちろんそれはポジティブなものではなく、「副作用がないものに目立った効き目はあるはずはない」という常識を当てはめたもの。つまりは「発毛効果なし=副作用なし」ということになります。
強い作用のあるものを使用することは、それによって今まで維持されていた何かしらのバランスが崩れることを意味します。
薄毛の原因となる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を抑制するがゆえに性欲減退や勃起障害を起こす可能性があるプロペシア(フィナステリド)や、血行促進や多毛症による発毛が期待できる反面、低血圧やめまいといった副作用が出る場合があるミノキシジルを見れば明らかです。
「副作用はないけど髪は生える」なんて都合の良いことなど存在しないことは医学分野や薬学において常識です。アルガス2なんていかにも専門的っぽい名前を付けていたって所詮は保湿成分、副作用も発毛効果もありません。
Algas-2(アルガス2)に使う価値はあるのか
価値観は人それぞれなのでAlgas-2(アルガス2)を配合したイクオスを使う価値があるのかどうかの判断もまた各々によって異なると思います。
いかにも効きそうなデータや文言を並べただけで実際はこれといった発毛効果のないAlgas-2(アルガス2)という保湿成分を含んだ“水”に価値を見出すのであれば使ってみても良いのかもしれません。
ただ、先ほども書いたように効果と副作用は表裏一体。副作用を感じるかどうかは人によって異なるものの、基本的に高い効果のあるものには実感の有無はさておき必ず副作用もあるもの。
大規模な育毛サイトを運営し様々な発毛剤、育毛剤に触れ、なおかつ私自身も薄毛に悩んでいるからこそ、髪の毛が抜けてしまったところからの発毛を本気で望んでいるのであれば、「Algas-2(アルガス2)」といういかにも専門的な名前を付けているだけの保湿成分に惑わされてほしくないと感じます。
何度も言いますが、Algas-2(アルガス2)は発毛成分ではありません。
投資などと同様に高いリターンを期待できる商品は必ず高いリスクが存在するもの。どんな分野においてもローリスクハイリターンなどありえないように、副作用はないけど髪は生えるなんて都合の良いことは存在しないのです。
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