フィーバーフュー 一時話題も過去のもの

フィーバーフューは効かない

育毛サプリメントに配合されていることの多いフィーバーフューは単体でもサプリメントが存在し、育毛効果について一時は新聞にも取り上げられるほど注目されたものですが、結局は効かない成分として忘れ去られました。

メディアに取り上げられたといっても2008年までさかのぼる話であり、それ以降はこれといった動きや成果は見られなかったことから「ああ、結局効果なかったのね」という結論になったのでしょう。

しかしいまだにこれを使っている育毛サプリメントは多く、それを紹介するサイトなどでは過去の栄光を持ち出し必死にアピールしています。

馬鹿らしいのでハッキリ引導を渡してあげましょう。「効かない」と。

フィーバーフューとは?

フィーバーフューとは冒頭の画像にもあるように「ナツシロギク」のこと。

独特の香りがありもともとは片頭痛や関節炎に効くということでサプリメントとして使用されるようになった経緯がありますが、有効成分である「パルテノライド」の働きが薄毛にも効果があると報道されると育毛分野でも注目を集め使用されることに。

研究段階でリウマチや関節炎に対する作用を調べている最中、リウマチ患者に投与したところ髪が太くなったりハゲた頭頂部に産毛が生えたりしたため効果に気付いたとされます。

■フィーバーフューの育毛作用

フィーバーフューがどういうメカニズムで育毛に効果があるといわれるかというと、薄毛の原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成には「NF-kB」というたんぱく質の一種が関わっており、フィーバーフューに含まれるパルテノライドがNF-kBの働きを抑えるというもの。

要はノコギリヤシなどの5αリダクターゼ阻害効果みたいなものか。

ただこれはあくまでも「そうなんじゃないか」という仮定に過ぎず、ハッキリとしたことはよく分かっていないというのが実情です。

また炎症を抑える効果があるため頭皮環境の改善にも役立つとされていますが、微々たる量しか配合されていない育毛サプリメントの抗炎症作用など気休め程度。フィーバーフューを売るために方便に過ぎません。

■フィーバーフューの育毛・発毛データは?

髪の毛が生えることを示すには客観的かつ統計的に有意なデータが必要になります。一時期とはいえ話題になったフィーバーフューですから、発毛効果を裏付ける何かしらのデータがあると見るのが自然ですよね。

というわけでフィーバーフューの育毛関連データを調べてみました。

…が、どんなに探してもフィーバーフューの育毛関連データは見つけることができませんでした。リウマチ患者に使用した際に育毛効果を確認したという話も、あくまでも現場レベルで実感したという程度のものか。

ただ、フィーバーフューに含まれるパルテノライドがNF-kBを阻害し、それがAGAの原因であるDHT生成を抑制することは多くの研究で示された事実でもある。

しかし、フィーバーフューを用いて薄毛が改善したというデータはおろか、NF-kB阻害がAGAに効果があったというデータすら存在しない。

あるのはNF-kB阻害がDHTの生成を抑制するというデータのみ。しかもそれは実際にサプリメントを飲んだヒトで実証されたわけではなく、試験管内で得られたものがほとんどというおまけ付き。

フィーバーフューに限らず培養細胞などを用いて髪の毛の成長やDHT生成抑制作用を確認した成分は数あれど、発毛するという科学的根拠を伴い実際にAGA治療薬として実用化されたものはフィナステリドとデュタステリド、ミノキシジルのみ。

2008年ごろに話題になったものの、その後10年以上が経過しても薄毛治療薬としての実用化はおろか何らかの追加情報すらないフィーバーフュー。育毛成分にありがちなフェードアウト成分ですね。

こんなもののどこに期待する要素があるというのか。

フィーバーフューが新聞に取り上げられた?

フィーバーフューの研究や薄毛への効果に関しては2008年に朝日新聞デジタルや週刊現代で取り上げられています。それを根拠にフィーバーフューを褒め称える育毛サイトも数多く存在するほど。

まずは朝日新聞デジタルの記事を見てみましょう。

フィーバーフュー 朝日新聞の記事

この記事の内容をもってしてフィーバーフューが育毛業界に知れ渡ったわけですが、締めくくりにあるようなNF-kBをターゲットにしたAGA治療薬は出てきていない。というか研究すら進んでいない模様。

そして週刊現代の記事。

フィーバーフュー 週刊現代の記事

週刊誌である週刊現代はまだしも朝日新聞デジタルに掲載されたというのは一定の説得力を持たせるもの。しかしこれらは2008年…つまりもう10年近く前の話であり、その後フィーバーフューが育毛分野において表舞台に立つことはありませんでした。

発毛効果はおろか育毛効果すらない健康食品の育毛サプリメントの中でもフィーバーフューはノコギリヤシ亜鉛のおまけ的なポジションであることからも、その後これといった成果を出せなかったことが伺えます。

注目の育毛成分としてフィーバーフューが新聞や週刊誌に取り上げられたのは確かですが、それと実際に効果があるかどうかは別問題なのです。

フィーバーフューに副作用は?

気になるフィーバーフューの副作用。結論から言えば「そんなものはない」。

フィーバーフューの効果とされるDHTの生成抑制は発毛成分であるフィナステリドやデュタステリドと同様ですから、それらと同レベルの作用があれば性欲減退や勃起障害といった副作用が出てもおかしくはありません。

しかしそこはしょせんサプリメント成分。

フィナステリドやデュタステリド同様5αリダクターゼを阻害しDHTの生成を抑制するとされるノコギリヤシですら1日の理想的な摂取量320mg摂ったところで副作用なんて出ないのだから、DHT抑制効果があるかどうかも怪しいフィーバーフューごときで副作用なんて出るわけがない。

稀にアレルギーや吐き気・下痢も

基本的に副作用は存在しないフィーバーフューですが、ごく稀にアレルギー反応が出たり、長期服用で吐き気や下痢など胃腸の不調が出たりする可能性があるとされています。

しかしどちらかというと「調査されていない」という側面が強く「分からないから出る可能性も0ではない」というレベル。

仮にこれらの副作用があるとしても性機能障害ではないあたり、DHT生成の抑制効果はほとんどないことが伺えます。「副作用」というよりは「有害事象」と言ったほうが適切か。

結局フィーバーフューは効くのか

フィーバーフューに含まれるパルテノライドはがんや炎症に対しての研究はそれなりに行われているものの、育毛に関しては全く聞かなくなってしまいました。

ずいぶん昔とはいえ研究されただけM-034などのゴミみたいな成分に比べればマシであるものの、その後追加情報が一切出てこないことや性機能に副作用がないことからAGA改善効果はないと見ていいでしょう。

そもそも男性型脱毛症(AGA)は遺伝や体質などが原因のほとんどなので、科学的根拠に乏しく成分量も少ないサプリメントごときで改善すると考えるのが間違い。

遺伝子に刻まれたハゲの情報に抗うには副作用のリスクがあるくらい効果の大きいものを使う必要があるのは想像に難くなく、それだけの効果が期待できるのはフィナステリドやミノキシジルのような発毛剤しかありません。

仮にフィーバーフューで治るようなハゲがあればそれは突発的かつ一過性のもの。…というかそれはフィーバーフューの効果ではなく、放っておいても治るもの。AGAが改善することはまず考えられません。

「フィーバーフューの効果がすごい」と書いているサイトは、昔の情報を引っ張り出しそれらしく書くことでサプリメントを売りたいだけのアフィリエイトサイトなので騙されないようにしてください。

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